第12章 存在意義とゆらめき【原作編(仮免)】
また、自分に課せられているものを少しずつ下ろすことにした。
まずは、
「え。委員長を辞める?」
『うん』
驚いてる様子の友人の顔があった。
「なんでまた急に?あんた充実そうにしてたじゃん」
『ううん、ずっと考えていたんだ。最近身内の出来事とか色々あって委員長の業務と両立できないなって思って』
「別にそれが理由で辞めなくていいと思うけど...」
『理央ちゃんごめんね。推薦してもらったのに果たせなくて...でも今はどうしてもやり切る自信はないからさ』
真実半分。
嘘半分。
身の丈に合わないことは降ろす。
もう前みたいに明るい気持ちでやり気ること不可能だと思った。
私よりも、もっといい人はいくらでもいるだろう。
でも、こんな私を立候補してくれた理央ちゃんや心操くんには申し訳ない気持ちでいっぱいではある。
「そ、っか...」
『うん。でもね、別に悪い意味で辞めるわけじゃないよ?きっと私よりうまくできる人はたくさんいるし』
「......」
案の定彼女は納得いってない表情をしていた。
きっと思うところがあるのだろう。
「ねぇ、」
『うん?』
「最近のアンタちょっと変だよ」
ああ、やっぱり気づいてたか。
でも、私は自分の気持ちに知らないふりをした。
『......そうかな。急にどうしたの?』
「あんた無意味に笑う性格じゃないじゃん。でも最近は....」
『最近は?』
「........」
『心配してくれてありがとう。でもね。大丈夫だよ。』
そう、もうこれ以上心配かけるわけにはいかない。
それにそうしてもらう必要もない。
『最近家族のことで色々あってね。認識を改めなきゃなって思ったことがあったの。もしかしたら理央ちゃんにはおかしいと思うかもしれないけど、本当だよ?』
「......」
『.....だから、もういいんだ。私なりに頑張ったって思うから』
そう。
むしろ、今までよくできた方だと思う。
身の程知らずだった自分にそういう席を用意してくれて、感謝でしかない。
だから、ちゃんと返そう。
本来やるべき人へ。