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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第12章 存在意義とゆらめき【原作編(仮免)】



委員長を辞めるということは公に話してわけではなかったが、いつの間にか広まっていたらしい。

珍しく心操くんに声をかけられた。

「委員長辞めるのか?」
『あ... 心操くん。知ってたの?』
「今さっき知ったばかりだ。」
『.....そうなんだね』
「なんで辞めるんだ?」
『...身内の問題で色々あってね、両立できないって判断したの』
「....身内、って」
『、ごめんね。詳しくは言えないんだ。』


推薦してもらった心操くんにも申し訳ない気持ちがあったが、もう決めたことだ。

気まずい空気が流れるのを察知して、話題をずらすためにも、自分から声をかけた。


『そういえば、心操くんは最近授業後も居残りしているって聞いてるけど、やっぱり特訓とかしてるの?』
「…まあ、うん。どうして知ってるの」
『相澤先生と一緒にいることを見かけることが最近増えたから、なんとなくそうなのかなって、』

体育祭以降そうなったことを考えると、もしかしたらヒーロー科編入に向けて頑張っているのかもしれない。

『そういえば、ヒーロー科は今仮免取得の時期だっけ。』
「…今年はヴィラン活性化に伴って1年生から仮免取得に向けて時間割くらしいけど、」
『…あ、そうなんだね。』


…そっか。

こんな大変な状況の中、もうヒーローの仮免取得のために動いているなんて、すごいと言わざるを得ない。

心操くんも、ヒーロー科のみんな、夢に向かって頑張っている途中なのだろう。

…轟くんも


入学していていた頃から感じていた、彼らの向上心や目標に向かって真っすぐな所はやはり尊敬に値する。

だからこそ、現時点で目標もあやふやで個性もない、自分がここにいる意義が益々ないことを実感させられる。


『やっぱり、夢に向かって真っすぐな人たちってキラキラして見えるね。』
「…え?」

『…羨ましいな』

個性を持つこと。それが当たり前の彼らにとってどれ程恵まれてるのか見当もしないだろう。


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