• テキストサイズ

【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第12章 存在意義とゆらめき【原作編(仮免)】



私の気持ちは......

そう言葉に発したくてもできない。

彼らの関係について私は了承したのに、今更こんな気持ちになるなんてわがままかもしれない。

家族の幸せを素直にお祝いしたいのに、自分の相談なしで進んでいたことに軽くショックを受けていた。

どうして、そんな大事なこと、自分には教えられてなかったの?

そんな寂しさが込み上げてきた。



そう思いつつ、話は進んでいくけれど、その先は何も覚えていなかった。食べていた高級料理も味がしなかった。


=====


時間がすぎ、帰る時間が近づいてくる。その前に軽くお手洗いと思い、その場を去った。

違和感と不安がじわじわと込み上げていた。

軽く冷えた水で顔で浸し、ハンカチで拭う。落ち着けばちゃんとこのどよめきも収まるのかな。

(....今後のこと、ちゃんと向き合わないと、)

私がどう思うのであれ、新しい家族になるんだ

慣れないかもしれないけど慣れていくしかない。いろんな負の感情も理解した上で関わっていくしかない。


(.....よし、)


覚悟を決めて、私はお手洗いから出て、父と新しい母の元へ向かおうとしていた。

丁度会計をしているのが遠くでわかり、近づこうとしていたときだった。


「....ねぇ、本当にあの子にちゃんと話したの?」


その女性が放つ言葉に硬直し、足を止める。


「もう、どうするのよ。明らかに動揺しちゃってるじゃない。だから早く話したほうがいいって言ったのに」
「悪い。」
「まあ今回は色々急にいろんなこといいすぎてしまったのも原因ね。私も反省しておくわ」

さっきの私との出来事についてだった。

そうか、そう思っていてくれたんだ...

そう安心してからの、次の言葉が頭を真っ白にさせた。


「しっかりしなさい。丸く収まるようにしないといけないんだから。私とあんたの関係が、あの子にバレたら困るでしょ?」
「大丈夫だ。その点は引き続き気をつける」

.......バレたら困る?

それはどういうこと?

/ 218ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp