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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第11章 逃走と真実【原作編(合宿/神野)】



数時間後、ようやく119と繋がり、救急車がこちらまでやってきた。

どうやら、先ほどのオールマイトとワンフォーオールとの戦いで被害を受けた市民たちの救助に時間を要していたみたいだ。

俺は、彼女を救急車へ預けた。本当は一緒に病院までついて行きたかったが、この後緑谷と合流し、警察側に爆豪を見届ける必要があったし、家族には連絡せずに勝手に行動した件もあるので、流石に家に帰らないといけないと判断した。


(‥‥一条、)


色々聞きたい事がたくさんある。

今までどうしてたいたのか、とか。

どうしてオールフォーワンと一緒にいたのか、とか。


(‥‥‥)


ー一条沙耶、だっけか?
ー?!
ー守れるといいなァ?後悔しないうちに


あの継ぎはぎ野郎に何をされたのか、とか。


色々モヤモヤとした感情が湧き上がってくる。

あのヴィランは俺に何を求めてあんな事を言ったんだ?

少なからず、俺の事情を知っているように見えたし、そのためにアイツを利用していたように思える。

とはいえ、

今となっては結局何が理由なのかわからないままになってしまった。

こればっかりは、もうアイツに直接聞いてみるしかない。

‥‥まだ、アイツに対して答えを出していない状態で会いにいくのは癪ではあるが、


=====


家に帰ってきた俺を出迎えたのは姉さんだった。

「おかえり!母さんのお見舞いから連絡返してくれないから心配したよ」
『わりぃ姉さん』

すると、訓練部屋から大きい振動と、温度が一気に上がる感覚がした。

音からして恐らくは…

「ちょっと前に帰ってきてね…ずっとああなの」


(オールマイトが本当にもう前線に立てなくなったのならNo.1の地位は…)


「フゥ…フゥ…こんな形で…認めんぞ…」

「認めてたまるか!認めるわけにはいかんのだ!!」


悔しそうに嘆いているクソ親父の声だった。

妥当オールマイトとして目指してきたからこそ、こういう結果でNo.1になるのは納得できないという事だろう。


『‥‥』


そういう自分の親の姿を見た上で、俺は何も声をかけることなくその場を離れる。

俺は親父を完全に許してねぇし、親父みたいな気持ちでNo.1を目指すつもりもない。

俺は俺だ。

個性に囚われる事ない、自分自身の夢のためにヒーローを目指す。


それを胸に誓った。

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