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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第11章 逃走と真実【原作編(合宿/神野)】



生徒40名の内、ヴィランのガスによって意識不明の重体15名。重軽傷者11名だった。

無傷で済んだのは13名。行方不明1名。

ヴィラン側は3名の現行犯逮捕された。

ヴィランを捉えられたとはいえ、情報漏洩されていたという疑いが持たれ、メディアは雄英の非難で持ちきりになった。

それと同時に、


『一条がいない?』


同じく1年A組が合宿を始めたあたりから、一条の行方がわからなくなったということを例の友人から電話が入ってきた。

普通科はヒーロー科みたいなクラスで集まる行事が少ない。夏休みは学校へ行かず、個別の課題に時間を割いていることが多い。だから行方がわからなくなったことに気づくのが遅くなったみたいだ。

それに気づいたのは今の所、数名ほどらしい。学校側が捜索するほどにまでまだ発展してない。

「流石に電話しても繋がらないから心配で....」
『わかった。分かり次第連絡する』

俺はその連絡を切った後、思い当たる出来事を頭に浮かべていた。

 
{一条沙耶、だっけか?守れるといいなァ?後悔しないうちに}


 例のヴィランが発した言葉。他の奴らには聞こえないように俺にだけそう呟いていたのがずっと気になっていたが、


(まさか、あのヴィランに捕まってるのか)


 そうなっている可能性が充分に高い。もちろん確証ではないが、


『.....クソっ』
 
 自分の不甲斐なさに腹が立つ。目の前で仲間が連れて行かれたのにも腹が立つのに、まさか予想外のところでアイツに危険が及んでるかもしれないと考えると、今すぐこの場を離れて救出に向かいたい気持ちに駆られた。

 夏合宿も中止になり、学校はメディアの対応で忙しいし、連れ去られた爆豪は総動員でヒーローが救出に向かう準備をしているだろうというのはわかっているが


『一条っ、』

 
 爆豪の件もそうだが、俺は一条に関して頭がいっぱいだった。万が一彼女が連れ去られたとしたら、あまりにも危険すぎる。ヴィランが何をするかもわからない以上、黙って大人しくすることなんてできなかった。

 考えるより先に動いていた時だった。

 緑谷の見舞いに行った病院で切島と偶然待ち合わせ、八百万がオールマイトと会話しているところに遭遇した。

 

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