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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第8章 距離感と興味【原作編(職場体験)】


※轟視点

 ヒーロー殺し「ステイン」の戦闘により怪我をした緑谷、飯田と俺は、病院で警察署長から世間への公表について聞かされた後、それぞれ診察を受けた。

 俺は腕の軽い軽傷、緑谷は脚への負傷であるのに比べ、飯田はかなり重症を負っており、腕の後遺症が残るという事で、あまり気は進まなかった。それに、



ー言われたことはないか?個性にかまけ挙動が大雑把だと!



 所詮はヴィランだ。アイツの言葉に耳を貸すつもりはねぇが、今回の戦闘を通して、改めて自分の戦闘スタイルを見直す必要があるのも事実だった。


(‥‥もっと強くならねぇと)


 俺たちは生かされた。その事実を受け入れ、今後自分のためにも前に進むしかないだろう。
 




 各自診察が終わり次第休憩を取っていた。
 
 正直昨日の件での事もあり疲れもたまっていたので、各自怪我が治るまでは大人しくしようとしていた。しかし、ずっとベッドに座っているのも落ち着かなかった。本来職場体験をするために来た身としては、この状況がもどかしい。


緑「あれ、轟くん、どこへ?」
『‥‥ちょっと病院の中を周ってくる。』
飯「もう少しでお昼の時間だぞ。なるべく遅くならないようにな。」
『ああ、』


 あいにく脚の怪我はない状態だ。数日後、職場体験再開の事を考えると、体が鈍ってしまう気がして、入院部屋を出た。






 下の階に降りると、人がそれなりにいた。休日という事もあってか、家族連れで来ている一般客もいるらしい。

「母さん!これ」
「あら、綺麗ね~」
「是非飾ってね。」
「あら、ありがとね。」

 俺と似た年ごろの男性が入院服を着ている女性に花束を渡している姿が目に入った。貰っているその女性はとても嬉しそうな顔をしていた。


(‥‥花、か、)


 そういえば姉さんが見舞いに行く際、花を持って出かけるの見たことがある。今度お母さんの見舞いに行った際、花を贈ったら喜んでくれるだろうか。とはいえ、花に対する関心がほぼないので、どういうのを贈ればいいのかは未知数だが、


(‥‥後で調べてみるか、)

 
 そう思いながら過ぎ去ろうとしたとき、一人の男性と俺の知り合いが窓口の近くのソファーに座っているのが目に入った。


(‥‥一条?)



 どうしてお前がここにいる…?



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