第1章 入学式ープロローグー
するとあの天賦の才能を持った火神大我が話しかけてきた。
「ん?なんだ?」
「帝光中とかキセキのなんたらとか…」
どうやらキセキの世代の事をご存知ないらしい。
「あー知らないのか?」
「俺、中学、アメリカだったからよ」
「へぇ~帰国子女か~本番仕込み」
バスケ、生まれの地でしていたとはそうとうだ。
「あ、キセキの世代ってのは…」
火神にキセキの世代、帝光中の事を詳しく話した。勿論、黄瀬と付き合っている事は省きましたよ?それを聞いた火神は凄く楽しそうな表情をしていた。
次の日ー
ザァーと少し強めの雨が降っていた。黒子に昨日、火神とバスケをした事を聞いた。どうやら、火神はそうとうキセキの世代に興味を持ったらしい。
「5対5のミニゲームやろう!」
するとカントクがいきなり、そんな事を言った。そしてその対戦が面白い組み合わせだった。
「一年対二年で」
その言葉に一年生はざわめく。
(確か、去年、一年だけで決勝リーグまで行ってるみたいだな)
一年生がどよめく中、火神だけは嬉しそうにしていた。
「椿ちゃん、一年生の方、見といて貰える?」
「分かりました」
カントクに頼まれ、一年生の方に目を向ける。まだ、ビクビクしているようだ。
「ビビってんな!相手は弱いより強い方がいいに決まってる!先輩達を叩き潰す勢いでいけ!」
「言うじゃねーか、マネージャーさんよ」
火神がニヤリと笑う。
「だってそうだろ?火神君よ?」
俺もニヤリと笑い返す。
「あぁ!」
一年生達に渇を入れる。これで少しは一年生の緊張も解れただろう。試合は始まった。試合は序盤は火神だけがバスケをしているようだった。
(ほ~やるな、帰国子女…それにしても黒子が動かないな~)
「黒子~!」
「なんですか?」
コートに近づき、黒子に話し掛ける。
「そろそろ、あれ、やってくれよ」
「分かりました」
黒子は呆れたような…でも、少しワクワクしたような顔をしていた。
(久し振りだな~黒子のミスディレクション)