第1章 入学式ープロローグー
「オイ、誠凛のみなさんを更衣室へご案内しろ!」
「は、ハイ!」
すると監督に言われて案内をかって出たのは中学の時、一緒に過ごした親友の瑞穂だった。
「瑞穂?!」
「あ!椿ちゃん!久しぶり!」
「久しぶり!元気してたか?」
「うんっ」
ひとしきり親友と再開を喜び合った後、カントクが…
「あの…スイマセン、調整とかそーゆーのはちょっとムリかと…」
と申し訳なさそうに口にした後。
「「そんなヨユーはすぐになくなると思いますよ」」
「なんだと?」
この言葉を聞いた瞬間、ニヤリと黄瀬と同じように笑っていた。
「それでは案内しますので」
瑞穂について行き、更衣室へ。瑞穂は黄瀬と同じ海常高校に入学していたのだ。
「バスケ部のマネージャーやってたとはな~」
「椿ちゃんだってー」
「黄瀬、瑞穂に手なんか出してないか?」
「大丈夫だよーそれに手出すなんて椿ちゃん以外にいないでしょー」
「うっ…」
「黄瀬君はちゃんと私が見張ってるから!」
「ありがとな」
瑞穂と久しぶりに会話をして楽しくて仕方なかった。試合もあるがそれ以上にこれも嬉しいことだった。
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「それではこれから誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます」
コートには海常高校の選手とこちらの選手が向かい会わせになる。がいつもの如く黒子は見逃される。いつもの光景を見ながらベンチで試合開始を見守る。
「………」
カントクはベンチからコートにいる選手を見ている。だが、ただ見ているだけではなくお得意の見るだけで、相手の能力を数値化する目で見ているのだろう。
「んじゃまず一本!キッチリいくぞ!」
と向こうの主将さんがチームに指示を出す。流石、主将さん。しっかりしているのが見ただけで分かる。
「だけど…」
黒子のミスディレクションで早速ボールを奪い、ゴールに向かう。主将さんはブロックをしようとしたがその前に火神にパス。火神がダンクで決めた。…まではいいのだが
バキィ!!!!
物凄い音が響き渡った。
「お?」
火神の手には何故かゴールのリングがぶら下がっていた。
「おおおぇぇー!?」
「ゴールぶっこわしやがったぁ!!?」
話によるとボトルが一本錆びていたようだった。それでも普通ゴールは壊れない。