【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !
第1章 喧嘩止めたら殴られた。
必死さのあまり、振り上げた拳に手を伸ばす勢いでよろけて床に膝を付くが片手はなんとか侑くんの振り上げた拳を掴むが、まだ不安定な体を支えようと咄嗟に反対の手が床にへばりつく。ひんやりとした感覚に一瞬びくりと心臓が飛び跳ねた。
「うっさいわ!」
「………ッ!?」
何か来ると、反射的に目を瞑った瞬間。ゴッ、と低い音が脳に響いて来ると同時に今度は後ろへと自分の身体が傾いた感覚にハッと目を見開いた。
視界が揺らついて居るにもかかわらず、二人が顔色を変えて私を目で追うのが分かった。何かが当たった反動と侑くんに振りほどかれた反動で後ろへと倒れ、その身体を支えるように咄嗟に後ろへと手をつき尻もちをつく。
一瞬、何が起きたか分からなかった。
けれど後から頬から伝わって来るジンジンとした熱ですぐに分かった。
もしかしたら、この行動は〝ルール違反だ〟って言う、神様からの忠告だったのかもしれない――。
水田 雪 高校二年生。
高校三年間の目標
〝平和な高校生活を送る〟
放課後の四月下旬
喧嘩止めたら殴られました。