• テキストサイズ

【アクナイ】滑稽でも君が好き【短編】

第5章 リップクリームチャレンジ【アドナキエル&スチュワード】




「んっ、むぅ…?!」


後頭部に大きい手が回って身が引けずに、薄く開いていた隙間から舌が入り込んできた。


「あ、ズルい。俺もしたい、俺もっ」


言い方と服を引っ張ってくる動きが可愛い、と思った途端に離れて行った。あぁ、してやったりの顔をしている。


「ごめん、我慢できなくなった。…味分かった?」

「はっ…わかるかぁ…」

「じゃあもう一回しよ?」

「もうしないってば、ちょ、スチュワード…は、離せーっ!」


体を持ち上げられてクルリ、と半回転した。必然的にスチュワードと向かい合う座り方になった。これは恥ずかしい。


「ダーメ。次は俺だよ」

「ちょ、うえぇっ?!お、重い!!」


そこに何を思ったか、後ろからアドナキエルがのしかかって来た。結果的にスチュワードを押しつぶすように三人一緒にベッドへ倒れた。


「だってまだ味当てられてないから、僕の番続行なんだよ」


ケロ、としたように言う彼は全然重くなさそうな涼しい表情で言った。一方真後ろではブーイングを飛ばしながらバタバタと暴れている天使が大人げない。


「スチュワードばっかりだ」

「いっつも一人独占してるんだから少しは我慢して」

「ね…どうでもいいけど重いよ…」

「アドナキエル、退きなよ」

「嫌だよ~」

「はぁ…まったく………!っ」

「スチュワード?」


起き上ろうとした彼は、一度大きく目を見開いた。
その後ギュ、と目を瞑って少し上げた上半身をまたシーツの海に沈めては、前腕を目に置き、大きなため息を吐いた。


/ 65ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp