第1章 はじまりは
「…………す、すみません……迷子で……」
「迷子?君はどこから来たんだ?」
どうやら私をこの学園の来客だと思いこんでいるらしい。女の子ってだけで来客だということは、ここは男子校なのだろうか。
「あの……ここはどこですか?」
「ここはツイステッドワンダーランドの名門魔法士養成学校、ナイトレイブンカレッジだよ。そんなことも知らないでここに来たのかい?」
ツイステ……何?分かったのはカレッジ、というだけだ。そんなさも当たり前のように知らない単語をツラツラとならべないでください。
「えっ………そういうことじゃなくて、ここは日本のどこか知りたいんですけど……」
「日本…………?何だそれは。」
日本を知らない?いやそんなことありえないでしょ。日本ではないことは確かだよね、だってこんな広い敷地に学校なんて置けるわけないし…外国だとしても日本くらいは知ってるし、習ってるでしょ?
「えっ……日本は、その、島国で……あ、そうだ!!中国の、中国の近くにあります!!」
「中国………?島国……?」
慌ててるから雑な説明しかできない。仮に日本を知らないとしても、大国中国は分かるでしょ?他にも着物とかお寿司とか有名なものをあげてみるが、2人共首をかしげるばかりで焦りが募る。そして1つの可能性に辿り着いた。……ここは異世界なのではないかと。
「………どうやら、僕達の知らないところから来てしまったみたいだね。」
「……あぁ、なるほど。監督生と一緒ということか。」
「えっ、あの……」
「あぁ……安心していい。今学園長に会わせてあげるよ。ついておいで。」
ちょっと、2人で納得しないでもらえますか。私理解が追いついてないんですけど。その監督生って人も私と同じ境遇に立っているってことですか。……でも、まぁ学園長に会えるならもしかしたら色々聞けるかもしれない。私は大人しく親切な2人についていった。