第6章 嫁と息子
──…3か月ほど経ち、
嫁が夢みるマイホームの話しが本格的に進み、
業者を交えて話し合いをするようになった。
「んー…」
そこに家を建てるということは
自分のしがらみを置くように捉えてしまい、
うーんと悩む。
佑都が成長していく場所。
予算…
生活利便…
広さ…
交通利便…
佑都が成長していったら大学もしくは就職して、
将来的には一人暮らしをさせて
ステータスを積み上げてほしいと思っている。
嫁と二人きり…それはもういい。
老後の心配は、
今は後回しにしなければ進まない。
「ご主人。まだ時間はありますから、
焦らず決めていきましょうか」
マイホーム購入を決意したのに、
結局は自分のため。
(俺が踏み切れない理由はなんだ…?)
保守的な考えが言い出せず、
今日も何も決められずに帰ることになった。