第6章 嫁と息子
そろそろ連絡が来る頃だと
2時間ほどで切り上げ、
千恵美のいる美容室に顔を出した。
「あら、ちょうど。
時間ぴったりにお迎えがくるなんて」
「やったな。佑都」
「ママ、可愛くなったー!」
あれだけ遊んだのに体力に溢れている
佑都はハツラツな声をあげる。
「佑都はラーメン、オムライス、
焼肉も食べたいって言うもんだから
ルーレットでオムライスに決まったんだが、
この前の番組で■■の
食べてみたいって言ってただろ?」
「そうそう!私もそこがいいと思う!
佑都、パパといっしょに遊んでもらって
良かったねー」
「うん!パパにね、
遠くに投げられるようになったなってね、
褒められたの!」
褒めてほしいとオーラを出し、
目をキラキラさせて千恵美を見上げる佑都。
家では俺の前に佑都、
斜め前に千恵美が前になるが、
外ではいつも
佑都が俺を隣りに座らせたがる。
いつも千恵美と一緒にいるのに、
たまにしか遊んでやれない俺に懐いて、
完全に佑都はパパっ子なのだろうと思う。