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【R18】Querer【創作BL】

第42章 モデル



(うわっ…。どストライク)



津梅さんの色んなパーツが総合して過去一番だったけど、いとも簡単に塗り替えていく同級生。
顔よし、腕よし、性格よし。

たぶん絶対、アキが有名人だったら冗談抜きで惚れている。



「このエプロン付けていい?」

「う…うん」

「ユウも料理する前に手を洗えよ」

「あ…そ、そうだねっ」



つい見惚れてしまって疎かになっていた。
俺の茶色のエプロンをつけて台所に立ち、肉に切り込みを入れたり、タレの仕込みをしてくれたり、炒める玉ねぎを切ってくれている。

手際が良すぎる。

俺なら玉ねぎが目が染みて、延々と泣きながら切っているのに全然涙が出ていない。



「す…すごい」

「もう仕込みは良いだろ。ユウが炒めて?役割分担」

「あっ…油引くよね。火はどれくらい…」

「中火でいいんじゃないか?そーそこ。ストップ」



一人で作るときは時間が掛かってしまうけど、アキのおかげであっという間に出来上がった。
頭の中にレシピがあるのだろうか。

だとしてもあの包丁捌きは見事だった。
トントントントンってリズム良く千切りされるキャベツ。
もう見てるだけで楽しかった。
そしてこのキャベツ、めっちゃ美味い。



「アキはもう千切りマスターだね!こんなに美味しい千切りキャベツが食べられたらもう十分だよ!」

「そうか?なら次はみじん切りだな。みじん切りといったら…、餃子か?作ったことある?」

「餃子いいねっ!まだ試したことないかもっ」

「具材はなに入れる?変わりダネは家じゃあんまり入れないけど…どういうのが好き?」

「んーとね。そもそも何が入ってるんだろう…ニラ?」

「キャベツニラにんにく生姜、あったら白菜も入れたいよな。でもこの時期だと白菜は高い。玉ねぎもいいよな。まあキャベツとニラありゃ十分だろ」

「うん。じゃあそれで」

「なんかヘンなの入れないの?」

「ヘンなの入れて…お父さんに食べさせるの?」

「フッ、自分が食うんじゃねーのかよ」

「お父さん生贄」

「ちょ、笑わせんな」



アキと食べる夕食は楽しかった。
最近は一人で食べることが多かったから尚更。

ご飯を食べ終わったら英語を見てもらい、アキは片手間に雑誌を広げていた。


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