第39章 フラット *
ユウさんと絶対なにかあった。
全部話してくれなくても良いから少しくらい頼りになれないだろうか。
親友同士の問題で俺には関係ないことだから主任は何も相談してくれないのだろうか。
「っあ、んん…!」
主任は話に触れられたくないのか毎晩のように俺の体を求めてきた。
帰りの車内で抱かれると思ったが家に入るまでお預けになって、先日、引っ越してきたばかりのマンションで二人のベッドに連れ込まれる。
「もう慣らさなくても簡単に入っちまうな。気持ちい?」
「ん…っ…、きもちぃ…」
それでも主任に優しく抱かれるたびに愛されているんだと強く実感できた。
この言葉は偽りじゃない。
この繋がっている体も。
偽りじゃないけど何かが欠けている。
牛垣主任が好きだ。
大好きだ。
主任のことを愛している。
主任もこんな俺をこんなにも愛し尽くしてくれているのに俺の心の中は否定したがっている。
「は、ふぁっ、…あ、ぉ゛んッ」
「湊、気持ち良すぎて出ちゃいそう…っ…」
「っあ、いいです、出して、いっぱい俺のナカに…っ…」
「…っくッ…」
主任の気持ちも自分の本当の気持ちも分からない。
これで良かったんじゃなかったのか。
俺は幸せになれた。
でも、本当はそうじゃないだろ?
主任が口癖のように言っていた「ユウ」という名前を吐かなくなった。
どう考えたって無視していい問題じゃなかった。