第39章 フラット *
「湊とするようになってから止めてたんだがオナホ使っても良いか?湊の身体の負担もあるし、俺も出さないと調子あがらなくて…」
連続イキで潮噴きまで経験させられ、俺の体力ポイントは残りわずか。
返事をするのも精一杯で閉ざしてしまいそうな意識の中で主任の声を聞き分ける。
「あっ…そうだったんですか。でもそうでしたね。毎回一緒にお風呂入ってたりしてたので…。いいですよ。俺は全然気にしません」
「すまんな」
「いえ」
主任の性欲は底無し。
テクニシャンの絶倫というのは恐ろしいものだ。
考えなきゃいけないことがあるのにSEXに流されてしまうと没頭してしまい、我を見失いそうになる。
「襲わねえからギューっとさせて。夕飯になったら起こしてやる」
「あ、はい…。それじゃあお言葉に甘え…て…」
「おやすみ湊」
主任はまだ硬い所有物を押し付けて息を吸い込むように抱き締めてくれる。
この時間がとても居心地がいい。
(でもやっぱり、俺じゃ駄目なんですよね)
そんなの初めから分かり切っていたことじゃないか。
主任がユウさんのことを話すときの表情…
主任がユウさんのことを見るときの表情…
主任がユウさんといたときの表情…
それは懐かしい思い出でも家族のことでも子供のことでも恋人のことでも俺のことでも何もかも当てはまらないただ一つの表情。
主任を支えたくて愛したくて一緒にいたいけどこんな気持ちじゃ一緒にいるのが辛いだけだ。
ふと、ぬくもりの感覚が消えて薄っすらと目を開くとそれを物語るような寂しげな背中が手の届かない遠くで映り出されていた。