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【R18】Querer【創作BL】

第34章 訪問者





牛垣主任はどんな魔法を使ったのだろう。



温かいタオルで顔や首、
腕まわりを拭いてくれた。

たったそれだけのことなのに
べっとりした気分が
スッキリした気分になった。



ベッドシーツを取り換えたから
ぬくもりは無くなってしまったけど、
寒さは覚えなかった。

つらい身体を横にしてくれて、
慎ましやかな笑みを向けられる。





「まだ寝てていいぞ。
出来たら起こしてやるからな。

それまでゆっくり……」





耳触りの良いトーン。

ずっと見ていたい気もしたけど
寝かしつけるように体をトントンされてたら
瞼が重たくなってきて、
薄っすらと視界が閉じていく。










心地のよい音色。





軽やかなまな板を叩く音が聞こえる。





沸騰した鍋の蓋を開け、
醤油だれの芳ばしい香り。

匂いだけで食欲がそそられる。





俺はそんなに腹が減っていたのだろうか。



空腹感なんて全くなかったのに

……不思議だ。


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