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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





唇をゆっくり離すと
触れていない渇いた唇がわずかに震える。





「お前に触れられるとおかしくなる」


「俺もだ。
お前に初めてマウントとられた時
嫌じゃなくって焦った」


「嘘だ……」


「お前の前で初めて着替えた時も
俺はちょっと変だった。
シャワー室でお前に抜かれた時は
ちょっと、いや、かなりやばかった。

あんなに美人な
デイジーに見惚れるんじゃなく
カモフラージュに使われてるんじゃないかって
一人で勝手に嫉妬して傷付いてた」





当時の想いを語る気恥ずかしさ。

エリックは驚いたように
目を見開いている。





「俺たちはもう終わったのか?」


「お前には明るい未来がある……」


「その明るい未来に
エリックがいなきゃ駄目なんだ。
お前と一緒じゃなきゃ
俺は幸せになれない」


「ケン、ジ……」


「…なんだ?」





エリックの腕に徐々に力が戻り、
頬を撫でてくる。

壊れものに触れるように優しく撫でる仕草が
当時のチェイスと重なるようで
今度はしっかり想い答えようと誓った。





「俺はいつもお前を泣かせてばかりだ」


「なら笑わせてくれ。
たくさん…、いっぱい」


「難しいな…」


「簡単だよ」


「どうすればいい…?」


「Think of me…」





額を擦りつけてきて
熱い視線で見つめてくる
エリックの想いが堪らなく照れくさい。

触れそうで触れない唇。

息を浅く吸うと
見計らったように唇が重なる。





「ん…」


「ケンジ」


「エリック……っ、
んぅ!…、エリッ……──」





求めるように動く貪る唇。

頭ごと鷲掴みにされて
髪をぐちゃぐちゃにされて
エリックの激しいキスに飲み込まれた。


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