第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *

エリックのチームに緊急要請がかかり、
海のど真ん中で撃沈された
チームの回収と追跡。

たどり着くと海上で人質となる隊員たちの姿。

島流しの姿で爆弾を巻かれており、
隊員は喋れない姿で
懸命なメッセージを送る。





迂闊に近付けば爆弾が作動する。
状況は罪悪だった。





まだ生きている隊員。
意識もままにならない隊員。
命を弄ぶかのように括りつけられた仲間の姿。

特殊部隊は奴の姿を追っていた。

元CIAエージェントの国情を知り過ぎた女。
葬られたとされていたが
政府に楯突く殺戮者に変貌しており、
民間人を巻き込んだ
軍人殺しの異名がつけられた。





「デイジー・グリーン・ギルダも
偽りの名で
戸籍上はニーナ・ネルソン。
俺たちはN.N.（エヌ・ツー）と呼んでる。

奴ひとりでは大規模な殺戮はできない。
CIAはコンタクトを取っている内情を
知る必要があり、
すぐには殺せなかった」





軍人殺しのN.N.が
わざわざ刑務所内の檻にやって来た理由。

逆にエリックは仲間を大量に虐殺された
復讐心を利用され、
CIAエージェントとして雇われたという訳だ。





「仲間を助けられないまま
時限爆弾が作動して爆発。
最初から生かすつもりなどなかったんだ。

アイツは殺戮を愉しんでいる。
道化のように。
それでも俺たちは
任務を続行し続ける必要があった」





上からの命令が続く。

N.N.は海底を走行しているとの報告があり続行。
その時は見つけ次第
直ちに抹消せよという指令だった。



そして海のなかでN.N.を見つけたのだ。