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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





ウォーカーが主訴とするのは
腹部の痛み。

痛みによって
食事が受け付けないのか。
それとも他に原因があるのか。

場合によっては
NSAIDs乱用で症状を悪化させた可能性もある。
しかし他覚的には貧血も黄疸もない。





「アドヴィル、タイレノールは
いつから使い始めた?」


「10日前くらいだ。
効かないからすぐ止めた」


「一回に何錠飲ませた?
連続して飲んだ?」


「一回じゃ効かなくて
二回目で止めた。
俺もウォーカーも薬は嫌いだ」


「連用しなかったのは褒める。
この薬は肝障害の人には取扱注意なんだ。
健全の人だって飲み過ぎれば
消化器系のバランスを崩す恐れがある」


「だから薬は嫌いだ」


「俺もできれば薬は
あんまり飲みたくない」


「医者なのに?」


「薬は便利だけど
取扱を間違えれば大惨事になる。
ナイフを持つとき
刃を握れば怪我をするみたいに」


「ジョークか?」


「俺は日本人だからジョークは下手くそだ。
ナイフと薬じゃ
ギャップがあり過ぎたかな」


「ナイフはいい武器だが危険。
薬もそれと同じ。
そういうことか?」


「そうそう。
モラは分かったようだけど
ヘルは分かった?」


「モラの説明で分かった」


「いい連携だ。話しを戻そう。
便はみた?
血が混じっていたとか
頑固だったり下痢してたとか」





ケンジは問診を続けて
いくつか頭にある疾患を絞っていく。

ウォーカーの年齢は60歳過ぎだった。

思った以上に
深刻な状態ではないかと
ケンジの顔はみるみる厳しくなった。


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