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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





3日目になると
バートンから退院許可が下りた。





「ルキノ。痛みはどうだ?」


「この調子だ」





ルキノはまだ個室のベッドに寝ていた。
しかし片手には
ルービックキューブが握られている。





「よかった。元気な顔が見れて」


「それはこっちの台詞だ。
大丈夫か?」


「平気。明日から働くつもりだ」


「実はもう働きたくて
ウズウズしてるように見えるが」


「当たり。けどバートン先生に
今日までは安静にしてろって言われた」


「変わってるな。
それよりこれ解けるか?」





ルキノはルービックキューブを
投げて寄こした。

カラーではない
イラスト付きの譜面だが
一面も揃っていない。





「ようやく一面揃えたのに
リプソンが出来るといって
滅茶苦茶にしやがった」


「セドリックが?
これなら一面なら簡単に揃うよ」


「口で言うなら簡単だ」





セドリックの名前を聞いて
びくりと肩が跳ねる。

ケンジは気にしない素振りで
ルービックキューブの軸を回転させ
同じイラストを揃えていく。





「手の動きが気持ち悪い」


「気持ち悪いってなんだよ。
はい、できた」


「おお! これで自慢できる」


「見舞いに持ってきてくれたのか?
良かったな」


「ああ。ついでにもう一面できるか?
どうせなら全部やっていい」


「できるけど。
どうなっても知らんぞ」





一人遊びでハマっていた時期を思い出し
ケンジの指は止まらなくなる。

また一面、もう一面と揃えていき
完成したものを渡すと
ルキノは自慢できると喜んだ。



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