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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





幸い骨折もなく、
レントゲンでも骨に異常はなかった。

ひどい腫れも肛門の痛みも引いてきて
2日目には
室内だけ歩き回ることを許され
昨晩、ロックインしたことを知る。





「なんてこった……」





ケンジが医務室で寝ていた時、
殺人事件が起こった。

24時間にわたり囚人たちは閉じ込められたが
セドリックは普通に顔を出していた。
いつも通りの顔だった。





遺体となって発見されたのは
ケンジを襲った
コーギー・マクミラン。31歳。

犯人は捕まってない。

鉄パイプで頭をグサグサに刺され、
凶器となった鉄パイプが
直腸を突き破った
凄惨な状態で発見された。



ケンジはトレイシーに
「身に覚えはないか?」と聞かれ
監房内の状況を知ったのだ。





「なんで。どうして……っ」





セドリックは普通の顔をしていた。
いつも通りの青い瞳をして。

眠ったらお腹が減ったので
朝食を食べて
「気分は悪くないか?」
と髪を撫でられた。





あの時、静かに零した
言葉を思い出す。










──お前の代わりに報復してやる。










「どうして……」





殺すなと言ったのに
コーギーを殺してしまった。

見るに堪えない姿になって
生きたまま
グサグサに刺され
何度も何度も痛めつけて
報復されたように命を落としていった。



その日からケンジは亀裂が走ったように
セドリックと
まともに目を合わせることが

出来なくなってしまった。


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