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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *







(……誰も、来ないよな……?)





タオルケットの中にそっと滑らせ
盛り上がる角の部分。

布団のなかで擦れば
万が一、
誰かが急に入ってきても誤魔化せられる。





「…ふ……ぅ」





どうしてだろう。

性欲は淡白だったはずなのに
弄られた肛門が異様に疼き、
半分硬くなった妄想のかたまりが
服の下で窮屈そうに持ちあがっていく。

動かした手は止まらなくて
扉に背を向けて
じかに触れると嗚呼が漏れそうになった。





「っはぁ……ぁ゛……」





一人の病室で背徳感のある自慰行為。

いけないことだと分かっていながら
動かした手は
登り詰めていく頂上に辿り着きたいと
何度も何度も擦り合わせる。





「セド、リッ…ク……っ」





唇に手の甲を寄せると思い出す。

セドリックの柔らかな唇。
獣のような息遣い。
温かく包み込む大きな手のひら。
優しく見つめてくる吸い込まれそうな青い瞳。





「っく、……はぁ…っ゛」





もうすぐイける。

加速していく
止められない手を必死に動かす。

目を閉じて意識すると
包み込んできた手のぬくもりに
触られている気になって、
興奮して止まない浅い息継ぎを繰り返す。





「ぁ……も゛…だめ、んンっ、セドリッ……──」





背後で大きな音が鳴ってビクッと縮こまる。



大きな音といっても
強く打ちつけるような音ではない。

静かすぎる部屋だから扉が開く音が際立っただけ。





「──……セド、リック」





湿り気の帯びた目元で振り返ると
目を見開いたセドリックが

何も言わず覆い被さってきた。


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