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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





最後は手の甲に王子様キスをされると
チラッと視線を上げてきて
男同士なのにドキッとしてしまう。





「ケンジ。殺してほしい奴が
いるなら俺に言え」


「はっ??」





甘い雰囲気から飛び出した復讐宣言。
ケンジの思考は秒で止まる。





「俺の手は他人の血で汚れているから
お前は何も気負わなくていい」


「セドリック。
何を急に言い出すんだ?」


「俺はそいつを痛めつけたところで
何も心は痛まない。
ここには奴らを裁く法律がない。
やられたらやり返す
倍返しにしてやる。

お前の代わりに報復してやる。
お前はただ一言俺に頼めばいい。

俺はお前が味合わされた痛みを何倍にもして…──」


「よせ。俺は平気だから……っ」


「お前は見た目以上にプライドの高い男だ。
お前は無理やりレイプされて傷付いた。
そいつのことを殺したいほど憎い
そうだろう?
そんな奴がいつまでも
この刑務所にいるんだぞ?

俺のことは心配するな。
俺はお前を守れなくて悔しいんだ。
だから頼め。
アイツを殺せと。コーギーを殺してくれと」


「………っ」





セドリックの瞳が牙を剥くように鋭く光った。

澄んでいた青い瞳は今まで何を見てきたのか。
あの温かい手は一体
何を握り締めてきたのか。

セドリックが恐い。
これ以上聞きたくない。
これ以上言わせては駄目だ。



もう泣かないつもりだったのに涙が溢れてきた。


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