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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





情けない姿を見せたくなくて
布団に潜り込もうと思ったが
セドリックが上になって抑えつけてきた。





「体液は残ってなかった。
証拠を残さないためだ」


「なにす…──」


「俺の目をみろ」


「離せ、一人にしてくれ。
……離せよっ」


「俺はお前に嫌がることはしない。
俺はお前の味方だ、ケンジ。
俺と目をみて…」





抑えつけられてフラッシュバックが起こる。
後ろから殴られ
腹ばいにされて何も出来なくなった。
力強く掴んできた無数の黒い腕。

同じことをされているのに
目の前には
澄んだ青い瞳が自分の姿を映し出す。





「セドリック……」


「落ち着いたか?」


「……ごめん」


「気にしなくていい。
これ以上
お前の綺麗な腕に
点滴を刺されたくなかった」


「なんだよそれ」





ケンジは拍子抜けした言葉に
苦笑いを零す。

セドリックは痕のついた腕に顔を伸ばした。





「腕……痛むか?」


「痛くはないけど。
……なんか
恋人にするみたいじゃないか」





セドリックはケンジの痣のついた腕に
口付けを落としたのだ。

ケンジはくすぐったそうに顔を歪める。





「嫌か?」


「嫌じゃないけど……」


「なら俺が気が済むまでする」


「っん」





皮膚に吸い付かれ
別の痕が付くんじゃないかと思った。

右腕が終わったら
左腕にもキスをしてきて
労わってるんだが痕つけたいんだが
妙に可笑しくなってしまった。


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