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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





診察は落ち着いており
バートンが手が空いたところを
見計らって話しかけた。





「バートン先生。
いまのNASIDs無効なので
アセトアミノフェン系に変えてみるのは
如何でしょうか?
トラマドールやトラムセットがあれば
有効だと思うんですが。
流石にオピオイドは置いてないですよね?」


「よく分かっておるな。
彼はそんなに痛いと?」


「脂汗が滲んでいました。
腕に痛みをこらえるような爪痕も。
アセトアミノフェン系に変更して
それでも痛ければ
ケタミンも併用してあげるのが良いかと」





バートンは指でも食いちぎられたら
堪らんしなと冗談をほのめかし
すぐ点滴を変えてくれた。


険しかった顔貌も落ち着いたように
ルキノは目を瞑っている。

声掛けすると薄っすら目を開けた。





「これなら夜も眠れそうだ」


「痛みで寝付けなかったのか?」


「……ああ。
強がってたのが馬鹿みたいだ」





ルキノは薄っすら微笑んで
小さな声でthank youといった。

どうやら彼は崖から突き落とされた気持ちで
この世の終わりだと思っていたらしい。
ケンジはそんなことないと
彼の手をしっかり強く握ってやった。


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