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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





ひどい悪臭もしており
感染症を引き起こしているようだ。

バートンは創の具合を確認すると顔を上げた。





「いつ頃気付いた?」


「今年の1月だ。
一時期は良くなったが
また赤いのが出てきて悪くなった」


「どこかでぶつけた?」


「記憶にない。
喧嘩はしょっちゅうしてるし
痛みも出てきて……。
みられて気持ち悪いと言われた。

俺はこのまま腐って死ぬのか?」





屈強な体の男の目には
薄っすら湿った涙がみえた。
落ち着いて話しているようにみえるが
今の彼はとても不安な心中だ。

周囲に隠していた傷のことがバレて
騒がれたのかもしれない。

犯罪で人の命を脅かしても
自分の命は可愛いものだ。
感染症を移されたら死ぬ。

こんな汚い環境だからこそ最も恐れる病気だ。





「検体をとろう。
足以外に傷はあるかい?」


「足だけだ」


「こんな状態までよく我慢したね。
ドラッグで誤魔化していたのかい?」


「ふざけるな。
俺はそんな真似はしねえっ」


「ごめんごめん。
ドラッグ使用歴は重要なんだ。
薬が効かないことがあるからね。
今日から入院だ。
それでいいかい?」


「………ああ」





渋々受け入れたように見えたが
心身的にもそれが良いだろうと思った。


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