• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





朝食をつつきながら
思い出しことを口にした。





「セドリック。
13時に懺悔室に行こうと思ってる」


「それで?」


「えっ……っと。
だからその
お前もどうだ?」


「俺は行かない。好きにすればいい」





セドリックに行くな
と言ってほしかったわけじゃない。

一緒に汗を流して
悪戯笑みもみれたと思ったのに
冷たいリアクションが返ってくるとは
予想だにしなかった。

本当にこいつは誰にも
情を移したくないんだなって再確認した。



出だしはしくじったが
今日から楽しみにしていた
バートン医師の横で
診察の見学をすることになった。

バートンが口にしていたように
自分勝手な患者や
管理能力が適当すぎて
あまり病状を重く受け止めていないように思う。

やはり監獄という過酷下の状況で
常識が欠けており
そもそも知能指数が一般人より低い気もした。





「次の患者を入れてくれ」


「分かりました」





ケンジは丸椅子から立ち上がり
待合室に顔を出す。

首まで立派なタトゥーが入った
30代のラティーノ。
ケンジの顔をみるなり睨んできた。





「ルキノ・アルフォンソ。
どうぞこちらへ」





バートンは問診票をみながら
早々に患部をみせてほしいといった。

ルキノは足をまくり
適当に巻いていた布を剥がす。





(独特な強烈な臭い…。
どうしてこんなになるまで
放置してたんだ)





そこには表皮が黒く壊死しており
真皮まで達する潰瘍が
点在していた。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp