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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





スポンジを奪おうとしたが
目の前にあった
紅く滲んだ
セドリックの唇に視線が辿る。





「そんなに深く噛んだつもりなかった。
滲みるか?」


「だいぶな」


「だいぶって
もっと痛いの経験してるだろ」





どついてもビクともしない体。
元軍人として鍛え抜かれた逞しい胸板。

セドリックの息が顔にかかる。
こんなに至近距離なのに逆らえない。
赤い血が付いてしまいそうなくらい迫ってきて。





「心が真っ二つになって
死ぬよりもつらい痛みを

……俺は知っている──」





ぬくもりのある生身の肌。
口の中に鉄の味が広がった。

唇を舐めてきて
そこから奥に入り込む。
体液交換するみたいに
熱された鉄が絡み付いてくる。





「んぅ…」





呼吸の息遣いを伺うように
唇を押し当ててくる。

セドリックの胸板がぐっと深く包み込む。





「はぁ……っ、ん」





柔らかな唇はゆっくりと離れ
首筋に辿ってくる。

唇で素肌を愛撫される。

抗うことが出来ず、
快楽に飲み込まれそうになっていると
腰に回っていた手が動き出す。





「……ダメだ。
止めるんだ…セドリック」





ケンジのしなやかな太腿をなで
腰に巻いた
タオルの内側を張ってくる魔の手。





「止めない。苦しそうだ」


「あっ……」





ケンジの声に微かな声が混じった。

タオルの中に
セドリックの熱い手が入ってきて
張りつめたそれを握ぎられた。

丁寧に優しくゆっくり動かしてきて
ケンジは薄っすら涙を浮かべて首を振った。





「はぅうっ…」


「人にされるのは久しぶりだろ。
すぐ終わる」


「ダメだ、離せよセドリック
……んぅっ」





押し寄せる快楽にケンジは腰をよじらせた。


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