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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





男友達の流れだと思ったのに
一体何を考えているんだ。

あんぐりとしていたケンジは
正気を取り戻し
セドリックの胸板に拳をぶつけた。





「ふざけんな!
俺はお前の子分だ」


「叫ぶよりもすぐ終わる。
サクッと」


「男のケツに興味ないんじゃないのかよ」


「冷やかしに目くじらを立てているから
治まるものも治まらない。
要するにいじめと一緒だ。
過剰に反応すれば奴らは面白がる。
今のお前はあついらの新しい玩具だ。
無反応なら時期に厭きる」





言っていることは何となく理解できた。

新しい玩具をもらったら
それはもう毎日楽しい。
時間が経ったら厭きるのも経験済みだ。

正論を言われてしまいぐうの音も出ない。





「立つのかよ」


「地面が固かった」


「顔がムカつく」


「好みじゃなくて残念だ」





ケンジは覚悟を決め
セドリックの後頭部に手を添えた。

綺麗な形をした薄いピンク色の唇。

身長差に少し腹が立ちつつ顎を上げ
しっかりと重ね合わせた。





「……──ッ」





セドリックの眉間が苦痛に歪んだ。

二人の唇が離れると
じわりと滲む鮮血のルージュ。
血の付いた舌をぺろっと出した。





「くそったれ」





ケンジは挑発的に口角をあげると
セドリックは少しだけ目を見開き、
血が滲んだ唇を撫でた。


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