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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





額に張りついた前髪を掻き上げるケンジ。

乱れた呼吸を整え
不利な状況だからこそ
負かしてやろうと
ケンジは好戦的に口角をあげた。



ケンジの動きがかわり、
セドリックの反応が鈍った隙に
点を取り返そうと動いた。

結果、
8対10でセドリックが10ポイント先取。





「はぁ……っ、はぁー……くそ」


「俺の勝ちだな」


「ちくしょう。
勝てると思ったのに」





ケンジは激しく胸を上下させ
汗が噴き出た額を拭った。

汚れなんて気にせず
グラウンドに大の字に寝て
日没のオレンジ色の空を遠く眺める。

セドリックも同様にいい汗を掻き
肩を揺らして地面に腰を下ろしていた。





「それで罰ゲームはなに?
時間が掛からないのがいい。
サクッと終わるやつで」


「敗者なのに偉そうだな。
お前は俺に何させようとしたんだ?」


「大声で恥ずかしいこと言わせようと思った」


「それは残念だったな。
俺のはすぐ終わる」


「なんだよ。その目は」





目を細めたセドリックは
ニヤッと頬をあげる。
不意にチェイスの面影と重なった。

チェイスも同じようなことを言っていた。
だから余計に嫌な予感がした。
というかケンジは
素直に罰ゲームの内容を言ってしまって
後悔した。

こうなったら何を言われても
全力でやるしかない。
中途半端にやったらそれこそ
男が廃ると思った。





「今ここでキスしろ」


「……はぁあっ!?」





ケンジは大声で怪訝を露わにした。

ゲイじゃない
男のケツに興味ない
フリだけでいいとか言っておきながら
観客がまだ見てる前でキスを要求しやがった。


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