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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





目の前にいるセドリックとの真剣勝負。
油断してたからとはいえ
寝技のときのあの素早さ。
それに相手は元軍人。

バランスの良い筋肉は飾りじゃなく
体力は常人より遥かに上。

ケンジは真っ向勝負は危険だと考え
頭脳プレイで勝負にかけた。
3ポイントラインを狙っていると匂わせ
一気にフリースローラインまで持って行きシュート。

リングに綺麗に入ってまずは1ポイント先取だ。





「よしっ」


「動きがしなやかだった。
見てみろ」





意外な組み合わせだったからなのか
それともただの暇を持て余していただけなのか。

気が付いたら向こう側から拍手してきて
応援してくれる観客が囚人でも
部活の日々を思い出して
俄然やる気が湧き上がってきた。





「賭け事しないか?」


「無駄遣いはしたくない」


「金は賭けない。
勝ったら負けた奴に罰ゲームをさせる」


「何でも言っていいのか?
子分なのに」


「ああ。俺に勝てる自信があるならな」





ケンジはう~んと悩んで考えた。
実はもう答えは決まってる。
こんなに観客が集まって来てるんだ。

セドリックが絶対言わなそうなことを
大声で言わせてやりたい。
絶対にみんな大爆笑する。

ケンジは勝つ気満々で人差し指を立てた。





「いいぜ。その賭けに乗った!」





しかしそれがセドリックの思う壺だった。

前半まではいい勝負だったのだが
後半からボールを弾かれたり
高い打点を活かされて
反撃できなくなってしまう。



久々の激しい運動に汗が流れる。
息が切れる。
筋肉が踊っている。
でも楽しかった。
スポーツはやっぱりいい。

真剣勝負のセドリックも時折
控えめな白い歯をみせ、
不意に胸がドキッと跳ねてしまった。


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