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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





日の入り前だったので
少しだけ黄金色に帯びていた。

心地よい涼しい外の風。

横にいるセドリックの長めの前髪が揺れ
青い瞳がこっちをみた。





「ポジションは?」


「シューティングガード。
やっぱり気になってたのかよ。
セドリックのポジションは?」


「色々」


「この野郎っ」





適当に言われたと思い
ケンジは強めにボールを投げてやった。
だが容易く
しかも片手で受け止められてしまう。

結構強めに投げたのに
全力で飛ばさないと効果なさそうだ。





「1on1、10ポイント先取でいいか?」


「その前に準備運動だろ。
こっちはずっと狭い拘置所にいたんだ。
できれば少し走りたい」


「たかが遊びだぞ」


「やるからには本気だ」


「なら俺も入念にしておくか」


「負けて泣くなよ」


「そっちこそ」





体を捻ったり伸ばしたりしてたら
セドリックが圧し掛かって
邪魔をしてきた。

邪魔というより悪戯に近い。

基本クールな態度だが
子供っぽいところもあるんだなと思いつつ
ケンジもお返しに体を引っ張ってやった。

それから捕まえようとしてきたから
グラウンド中を走って
無駄に疲れる。
でもおかげで走り込みはしなくて良さそうだ。





「意外とすばしっこいな」


「力では負けるけど速さは自信がある」


「俺が本気を出せば掴まえられたがな。
オフェンスかディフェンス
好きなほうを選べ」


「じゃあオフェンスで。
負け惜しみすんなよ」





開始の合図は
ボールを渡して返してはじまった。


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