• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *







「娼婦と一緒にするな。
お友達に言っておけ。
ケンジはセドリックの子分なんだって」


「子分だって?
彼は子分なんて雇ったのか。
ケンジは面白いこと言うね」


「俺はいつだって本気だ。
子分に手を出したら
首だけじゃ済まないぞ」





熱くなったケンジの下に
点呼の警鐘がガンガンと響く。
心臓に悪い音だ。

一斉に施錠され、開かなくなってしまう。





「ケンジ。看守がくる。
扉の前にちゃんと並んで」





コーギーに注意され位置に戻る。

看守に被収容者の識別番号と名前を呼ばれ
本人がいることを確認される。
問題なければロック解除だ。



セドリックがどこから来るのか
廊下で待っていると
横の扉が空いてギョッとした。





「お隣りさんかよっ」


「行くぞ」


「素気無いな。
セドリックの同房は誰なんだ?」


「…」


「おい。待てって」





セドリックは無視して
階段をさっさと降りて行ってしまう。
都合が悪くなると無視する
気難しい奴と思いながら中央棟に向かう。





「あっ、スクラブのままだった」


「どうせ洗う。気にするな」





その足でグラウンドに出ると思ったのだが、
セドリックはボールを借りるため
黒人の囚人に金を払った。

やり取りをみていると
ボールだけでなく
コート代も別に金がかかるようだ。



古びたバスケットボールを
セドリックから強めに投げられ
ケンジは危なくなく鷲掴んだ。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp