• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





納得できる答えを見つけたのに
胸やけしたみたいにスッキリしない気持ち。





「童貞なのか?」


「ちがう!
掃除が終わったから売店に…──」





壮大に腹の虫が鳴った。

セドリックは顔色を変えなかったが
少し目を剥いたようにも見える。
あまりにデカすぎる腹の音に
ボッと顔に火が付いた。





「……やる。じいさんが
口に合わないと俺にくれた」


「えっ、いいの?」


「貰いものだから遠慮せず食え。
チョコは嫌いか?」


「甘いのは好きだ。
アメリカのお菓子は
日本人の俺にとって甘過ぎだけど」





早速もらったチョコレートバーに噛り付く。
加減の知らない甘さと
ねっとりしたチョコレート味。

これ一本で胃にずっしりきて
高カロリーな糖分が補充されていく気がする。





「満足そうだな」


「これなら頑張れる。ありがとう。
小腹が減ってたから
売店行こうと思ってたんだ」


「お菓子なら売店より
1階のフランキーのところで安く買える。
奴は教えてくれなかったのか?」


「まさか腹が減ると思わなかったんだ。
ずっと食欲なかったから」


「環境に慣れること、楽をするのは
悪いことじゃない。
だが情だけは移すな。
囚人も看守も腐りきっている。

情を移すと
自分を滅ぼすことを肝に銘じておけ」





すべてに敵意を向けたような言い草。

セドリックは情を移したくないから常に
一人行動しているのだろうか。
異様に冷たいし、
干渉されるのも嫌がっていたし
それなら合点がいく。





「仕事も事務的にってか」


「いい顔をしていても
強盗・傷害、詐欺、窃盗、暴力団にギャング、
レイプなどの性犯罪者がこぞっている。
見た目ならいくらでも誤魔化せる。
それで人を食ってきた連中だ」


「2日目でコーギーに騙され
それを警告してる
セドリックも信用するなって。

──…お前は
一人で生きていけない俺を孤立にさせて、
ひどいことしたいのか?」





ケンジはセドリックに
馬鹿正直な質問をぶつけてみた。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp