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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





靡くようなウェーブのかかったブロンド髪。
気が強そうな濃い化粧と目つき。
鼻筋が通った高い鼻に
厚いセクシーな唇。
他の看守とは待遇の違いを見せつける
高圧的なヒールのある靴。

ここでは危険すぎる
魅力的なくびれのあるボディー。

健康的に程よく焼けた白人女性。





「ここは美男美女が集まるって
有名になりそうね。
デイジー・グリーン・ギルダよ。
最近配属されたばかりなの。

あなたは新しい看護師さん?」


「あ、いや…」


「同じ囚人だ」


「うそ。全然そうは見えないわ!
こんなにお上品な顔をしているのに
何をして捕まったの?」





戸惑うケンジに代わり
セドリックが応えてくれた。

セドリックの胸元に置いていた手は
今度は近付いてきた
ケンジの頬に伸びてきて
興味津々とグリーンの瞳で覗き込まれる。





「持ち場に戻らないと
上にどやされるぞ」


「それもそうね。
トレイシーは私のことが嫌いなのか
手厳しいんだもの。
今度ゆっくりお話しましょ。
チェリーボーイ」


「んなっ…」





最後の言葉がグサッと刺さった。
美人過ぎて動揺はしたけど。



それは良いとして
親しそうな雰囲気だった。

いや、普通に考えたらそうだろ。

あんな美人は滅多にいない。
二人が惹かれ合わないはずがない。
美しいものは美しいものに惹かれ合う。
しかもこんなアンニュイな監獄で。

囚人と看守だとしても
逢引きしていても不自然じゃない。





(なに勝手に傷ついてるんだ
……くそ)





デイジーがいなくなってからも
動悸が収まらなかった。


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