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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *







「……ジェイクが、ロス市警で働いてるんだ。
会うたびに申し訳なくて
一度しか会ってない。
それに……、
チェイスはもう家族に会えない」


「会うのが辛いのなら手紙を書けばいい」


「手紙?」


「反省文でも思い出話でもいい。
すべてを断ち切ることはしてやるな。
お前も辛ければ
家族も同じくらい辛いはずだ」





セドリックから意外な言葉が零れた。

血の繋がらない義家族だとはいえ
寄り添った言葉を投げかけてくれた。

無理に断ち切らなくてもいい。
我慢しなくてもいい。
顔を見るのが辛いなら
文字に書き起こせと教えてくれた。





「そうだな。帰ったら早速書いてみるよ」


「それとむやみに家族が警察だと
口にするな」


「ご忠告どうも」





セドリックに話して良かったと心の底から思った。

一通り洗濯や掃除の仕方を教わり
自分の部屋を掃除する要領で
きっちりこなした。

慣れるのも時間の問題。
全体の部屋を見渡し、
乾燥機にかけた洗濯シワを叩いて伸ばす。





「動いたらお腹空いてきた」





すべてをやり終えた頃には小腹が空いてきた。
まさか2日目にして空腹感が増してくるとは。
初日は食欲があまりなかったが
心は追いつかないのに
体は順応しようとしている。

なにか間食を挟まないと厳しそうだと思った。





「セドリック。
掃除と洗濯終わっ──……え?」


「あら。可愛らしい坊やね」





目の前には絶世の美男美女。

セドリックと向かい合うように立つのは
女性看守とは思えないほどの
ルックスとスタイル。
くすぐったい女性らしい上品な声。



ケンジの心臓が大きく脈を打った。


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