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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





どいつもこいつも人のことを
性的対象として見られないのかと睨んだが、
セドリックの冷たい表情からは
何も読めなかった。





「お前の同房、
コーギー・マクミランはゲイだ」


「やっぱりそうなのか。
今朝知ったよ。
今さっき風呂場で襲われそうになった」





いま思い出すだけでも腹が立つ。
タオルの下で勃たせやがった。
それだけなら未だしも
ケンジに構わず自慰を見せびらかしたのだ。

監房に戻りたくない。

21時になれば鍵が閉まってしまう。
逃げ場のない二人きりなんてのは危険すぎる。





「同房がゲイだった場合
どうすればいい?」


「干渉しないことだ」


「それだけ?」


「洗濯物を片付けたら部屋掃除だ。
一度教えたら二度目は一人でやれ」


「二人でやった方が効率良くないか?」


「お前がそうしたいなら
いつでも代わってやる。
相手をするのは老人だけじゃない。
お前より体格のいい患者だっている。
男は誰だって性欲を発散させたい生き物だ。
同房の対応で一々嘆くような
お前に相手が務まるはずがない」





セドリックの長い言葉に耳を疑った。
それってつまり…。





「奉仕もあるのか?」


「冗談じゃない。
移動や入浴介助にはお前のような
華奢じゃ務まらない。
俺がやってやるって言ったんだ。
汚い掃除とスケベされるのどっちがいい?」


「掃除でお願いします」


「美人の受刑者なら
喜んでブラジャーを外したのに」


「クソ野郎だな」





乾いた笑みだがドキッとした。
こんな顔をもするんだなって。
話せば応えてくれるが戯言も大概にしよう。
不真面目だと思われて嫌われたら元も子もない。

そもそも嫌われるって何だ。

顔だけいい奴に何を恐れてるんだ。


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