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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





身長差は拳一つぶんか。

逞しい腕やスラっとした背筋を眺めていると
急に立ち止まったセドリックの背中に
鼻を壮大にぶつけてしまった。

見下ろされたが何を言うわけでもなく、
衣装ケースに手をかける。





「Mでいいな?」


「ありがと」


「何をしている。さっさと着替えろ」


「え、ああ。そうだな」





紺色のスクラブを手渡され
一瞬、着替える場所を探してしまった。

目の前で脱ぐのは気恥ずかしくて
少し横を向いて上着を脱ぐ。
裸になるのは抵抗があった。

コーギーの件を思い出したからだ。





(……コイツはどうなんだろ)





セドリックもそんな下心を持って
見ているのだろうか。

ふと気になってチラッと視線を配ると
そこには腕組みをして
感情の読めない冷たい表情を浮かべているだけ。
どんな看守よりも迫力があった。

余計な詮索は必要なさそうだ。





「医務室にはバートン先生のほかに
誰がいるんだ?」


「医師と看護師が1名ずつ
看護助手は俺だけだ。
人手不足だから常に忙しい」


「看護助手…。
セドリックは元医療関係者なのか?」


「人を詮索する気でいるなら辞めろ。
俺はゲイじゃない」


「はぁ?
何でそうなるんだよっ」





ケンジは差別主義ではないが
ゲイだと思われたことに腹が立った。

少し興味があって
いい奴そうだったから仲良くしようと
思っただけで下心は一切ない。

ただちょっと鍛えられたボディーは
羨ましいと思って見惚れてしまったけど
それだけだ。
深い意味はない。


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