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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





ケンジはセドリックに
挨拶したつもりだったが
他の囚人たちが囃し立ててきた。





「こりゃいいや。
早速仕事くれてやる。
こっちに来て手伝ってくれ」


「へいジャップ。
恋人はいるか?」


「見たところかなり幼い顔ね。
年はいくつ?
こいつ等みたいに悪いことはしないから
もっと綺麗なお顔見せて頂戴よ」


「うるせえぞ。
このオカマ野郎。
俺たちが先だ」


「誰がオカマ野郎ですって?!
ベビーオイル塗りたくった頭で
威張ってんじゃねぇよ!!」


「ついて来い」


「えっ、でも…」





セドリックは口喧嘩をはじめる囚人を
無視して歩き出す。

一番大声をあげていた黒人のオカマ口調に
視線をチラッと寄こすと
「あらごめんなさい。
ヒートアップしすぎちゃったわね」
とオカマは口を慎み、
セドリックは視線の威圧だけで沈めてしまった。



それだけ周りから恐れられている
って事なのか。





「どこに向かってる?」


「着替えだ。
バートンは人使いが荒い」


「もっと良い仕事も紹介されたけど
俺はこっちを選んだ。
介護はよく分からないけど
医療の知識はそれなりにある」


「根拠は?」


「ここに来る前は医学生だったんだ。
まだ1年目だけど」


「お前のような若い男は
荒っぽい男の餌食だ。
たとえ相手にされなくても
毎晩オカズにされているのは言うまでもない。
ここが安全だと思ったらお門違いだ」





口を開けばなんちゃらだ。

気難しい性格は多少大目に見るが
一方的に追い出そうとする態度に
ちょっぴり癇に障った。





「お前だって人のこと言えない。
目立つし若いだろ。
俺は21、…セドリックは?」


「24」





医務室内のリネン室と書かれた扉を開けると
整理整頓された
布団やシーツがたくさんあった。


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