第33章 𝐋𝐎𝐂𝐔𝐒 *
手慣れた要領で髭を剃られる感覚。
痛みが走ることもなく
シェービングクリームを洗い流すと
不意にコーギーの喉が鳴った。
親切な囚人の素顔をいま目にしたからだ。
「麗しいよケンジ……。
やっぱり君は無垢な男の子だった」
「……コーギー。
頼むからそんな目で俺を見るな」
「ああダメだよ、いけない子だ。
僕のペニスが奮起して
こんなに熱を帯びてしまった」
言葉の通りだった。
髭が無くなったケンジの姿をみて
我慢できないばかりに
立ち上がりをしたコーギーの本当の顔。
「止してくれコーギー。
今なら同房のよしみで水に流してやる」
「それは出来ないよケンジ。
賢く生きよう。
僕のこと
こんなに慕ってくれてるじゃないか」
「俺はこんな形望んでいない。
看守も見ているんだぞ」
「彼は僕の客だからね」
「なっ?!」
「チップの代わりにしゃぶれば見逃してくれる。
いきなりハードなことはしない。
僕は紳士だからね。
初めての牧師様もそうだった」
「なん、だと……?」
コーギーはずっと教会にいたと言っていた。
それはつまり幼い頃から。
「僕は親の顔を知らない。
僕たちのような孤児には牧師様しかいなかった。
貧しい街だったけどそれなりに幸せだった。
僕が11歳になった時、
牧師様は僕一人だけ教会に呼び出したんだ。
普段からスキンシップが多かったから
不思議と抵抗はなかった。
優しい笑顔、慈しみのある言葉、
牧師様は僕の頭を撫でながら
だんだんいやらしい手つきになっていった」
「黙ってくれ…っ、
そんなこと聞きたくない」
「気づいたら温かい舌が這ってきた。
小さなお尻の穴を入念にほぐされた。
無理やり押し広げられる感覚。
苦しかったけど
僕は牧師様を信じて真摯に受け止めた。
その時はじめて精通したんだ」
「最悪だ……っ」
洗脳による虐待。
ケンジは思わず暴言を吐き捨てた。