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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





次の日の起床時
コーギーにシャワーのことを聞かれた。





「朝食が終わったら自由時間だ。
朝日を浴びながら筋トレしたい囚人が多いから、
その時間帯は待ち時間が少ない。
逆に昼頃になると
汗を流しに来る囚人が多くなる」


「そういうことなら
早く行っておきたいな」


「僕たちひ弱な囚人は共に行動した方がいい。
ポルコはこの世にもういないけど
危険なやつは大勢いる。
後ろから襲われたくないだろう?」


「当たり前だ」





ケツを狙われてると考えるだけで虫唾が走る。
ケンジにとって何としても回避し続けたい暴力。

舐め回すように体をみられ、
下品な罵声を浴びせる監獄内。

これまでアジア人だからという理由で
笑顔で中指を立てられたり
忌み嫌われる人種差別は受けてきた。
しかしこれは男として、
今まで味わったことのない侮辱する行為。



コーギーとともに風呂場の列に並び
簡単な仕切りだけある作り。

腰にタオルを巻いて
気合いを入れて蛇口を捻ると、
なんとシャワーヘッドから
冷水ではなくぬるま湯が出てきた。





「また冷たい水かと思った」


「懐かしいな。
最初は冷水の洗礼を受けるんだったよね。
ここは工場で発電機を回しているから
少し温かいんだ。
冬場は堪えるけど。
ケンジ。髭を剃ってあげる」


「似合ってるだろ?」


「正直言って似合ってない。
肌を傷つけたくないから
動かないで」





アジア人は年齢より若く見られる傾向がある。
大学でも弄られた経験があったからだ。

コーギーは手慣れたように
シェービングクリームを口の周りつけ、
T字剃刀をケンジの頬に当てた。


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