• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





テーブルはそれぞれ固定されており
4人ずつ向かい合って食べている。





「囚人の割合は白人が多いのか?」


「いいや。
半数近くはメキシコギャング。
ここでは彼らが最も強い勢力だ。
次にブラックギャング。
白人は少数だからギャング組織は作ってない。
彼らに興味があるの?」


「ギャングには一生関わりたくない。
コーギーだってそうだろ?」


「できればね」





曖昧な返事で応えられ、
ケンジは眉間に皺を寄せる。

クリスチャンであるコーギーは
関わりざる負えない
状況に立たされているのだろうか。

そう考えていた矢先、
後ろを通っていく男に目が行った。





「──…!!」





あまりの驚きで

息をするのも忘れてしまった。



この薄汚い監獄には似つかわしくない整った風貌。
長身でバランスのとれた筋肉質の白い肌。
オレンジ色の囚人服ではなく、
医療現場で着用する紺色のスクラブ姿。
明るいブロンドがかった茶色い頭髪。

長めの前髪は無造作に流していて、
これまた美しい額が出ている。





「コーギー。
あの青い服の男は?」


「ああ……。
彼には、関わらない方がいい」


「奴は何者だ?」





整った眉ひとつ動かさず、
恐れを知らない冷徹さをうつす青々しい瞳。

ケンジはその男から目が離せなかった。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp