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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *





鉄格子越しの狭い二人部屋。
部屋の半分を占める二段ベッド。

外から丸見えの位置にあるトイレと洗面所。

ゴミ箱や備え付けの棚のほか
奥には取り付けられたテーブルがあったが
日の出を知らせてくれる窓はなかった。





「君の名前は?
僕はコーギー・マクミラン」





荷物を下ろすと
コーギーは自分の横に座るように叩いた。



コーギーは態度からみるに親切そうな奴だった。

しかし、いくら見た目や態度、
口調が穏やかだろうが相手は実刑をくらった凶悪犯。

腹の内になにを秘めているか分からない以上、
強い警戒心を募らせながらも
ケンジは一刻もはやく
味方を作りたい気持ちが勝っていた。





「ケンジ・ニイヤマ」


「ケンジか。いい名前だ。
刑務所暮らしは初めて?」


「ああ」


「僕はここに来て7年近くになる。
ケンジは肌はここでは珍しい。
国はどこ?」


「日本」


「へえ~、日本人は初めだ。
Aブロックにアジア人はいるけど
日本人は聞いたことがない。
なにをしたの?」


「……」


「ごめん。言いづらいよね。
話題を変えよう。
ケンジと仲良くなりたいんだ。
洗礼を受けたことは?」





今日その日あった奴に
罪状なんて軽々しく口にする気にもならない。

ケンジはコーギーの胸元に目をやると
キラリと光る
十字架のネックレスが飾られていた。


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