第33章 𝐋𝐎𝐂𝐔𝐒 *
受付で手続きを済ませてから
さらに奥へと進む。
「身体検査をする。
服を脱げ。
身に付けているものすべてこの箱に」
いよいよだ。
外の世界と決別する瞬間。
ケンジはTシャツ、
ジーパン、靴下を脱ぐが
幾度となく調べられても
人前で全裸になるという抵抗感。
「下着もだ。ここに入れて」
看守はあくまでも淡々としている。
ケンジは最後の一枚を剥ぐと
真正面の壁まで歩かされた。
「壁に両手を付けて。
何も隠し持ってないな?」
「持ってない」
「尻の穴を広げて」
二人の若い看守にジロジロと
フルチン状態をみられ
開きが悪いと
両尻の割れ目に指をかけられる。
ひとりの看守の手にはライト。
「小さい尻の穴だ」
「ディックを使われたいのか?
締め過ぎだ。
それともなにか
隠し持っているんじゃないのか?」
「俺は何も……っ──!!
いいからサッサと調べてくれ」
大声を上げたケンジだったが
卑しめた看守たちの顔をみて察した。
ケンジは粗ぶった感情を殺すことを選ぶ。
ここで捌け口に使われても困る。
囚人同士ではなく
看守による一方的な暴行。
上の者は黙ってみているが
この若い看守たちは
ただ職務を横領して面白おかしく
揶揄っているだけなのだ。
ケンジは苦渋に満ちた色を浮かべ
屈辱に耐えた。