第32章 検索
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ピピピとうるさい
時計の音に叩き起こされ、
目が開かない手元で時計の居場所を手探り。
「……あたまイタイ…」
会社に遅刻してはいけないと
無理やり上体を起こす。
目の奥からじんわりと感じる熱感。
締め付けるような頭痛。
とまらない鼻水も垂れてきて
熱くて苦しくてどうにかなりそうだ。
「うー……」
寝不足が原因だろうか。
牛垣主任の経歴を調べるつもりが
つい画像の方に手が伸びてしまった。
……格好良い。
シンプルにそう思った。
涼しげだったり、甘く見つめたり
憂いを帯びたり、
魅力的な表情だけでなく
あどけなさが残る制服姿の画像まである。
ほんと絵になる人だ。
短くても長めでもどんな髪型も似合っていて
羨ましいほど長いまつ毛、
透き通った滑らかそうな肌、
爽やかな薄い唇、
バランスよく引き締まった肉体美、
鼻筋の通った立体感のある端整な顔立ち。
真正面からだけでなく
横顔も完璧だと思ってしまった。
実物を見たからわかる。
本当に綺麗な顔をしてるんだなって。
けれど一番目に止まったのは
若い西洋人男性と
鼻先を付け合わせた
こちらまで胸が苦しくなるような
美しくも儚いビジュアルだった。