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【R18】Querer【創作BL】

第31章 加速





この人には

一途って言葉が
とことん似合わないなと思った。





出演作品はすべて大ヒット。

大役を勝ち取ったからといって
人気や知名度と比例するわけじゃないが
この人は正に運よくやり遂げてしまった。



芸能界から後退って
よりよい職場環境やともに働く部下に恵まれ、
順風満帆に過ごすことができている。



それは単に運があるから。



だからこの人は
仮に奥さん以外の人と寝たりしていても、
バレることのない強運を持っていれば
やって成し遂げてしまうことも
出来てしまうのだろうと思ったり。








(まあ…
こんなに卑屈に思うのは
自分が参ってるせいなのかもな)








すべてを手に入れて、
なにも苦労もしていなさそうな
牛垣主任が羨ましい。

この人に悩みなんてあるんだろうか。

毎日ってわけじゃないが
愛妻弁当を食べていたり、
かわいい一人息子の自慢だってしている。

夫婦仲は円満なのだろう。





「これで問題ない。
次やることなかったら、これ頼めるか?」


「わかりました」





そんな人になぜ
見られなきゃならないんだ。



俺はゲイな自分をある種に嫌っていて、
卑屈に思っている部分は大きいけど
プライドはある。





なにか気になるんなら言ってほしい。










主任のことは少しいいなと思ったけど、
あんまり見られたら

俺だって…傷付くんだ。


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