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【R18】Querer【創作BL】

第30章 注目の的





ようやく昼休憩になり
とにかく居心地が悪い会社を出て、

目についた食事処に入った。





「はぁ゛~…」





腰を下ろした途端、
溜息とともに突っ伏してしまいたかった。

どうしてこんなに疲れているかって?



初日出勤だとか
そういうレベルではない疲労感。

あの空間はプレッシャーが強い。

とにかく気が抜けない。





「あの人は常に平然としてるし…」





あの人とは牛垣主任のことだ。

どこへ行っても視線を向けられる。
どこへ行っても声を掛けられる。
どこへ行っても注目されている。

俺のときはとことん無表情だったのに
会社の人と話すときは
柔らかい表情を自然に披露する。
テレビで見ていた時みたいに爽やかになるのだ。

並んで歩いたときには特に地獄だった。
毎日毎日こんな日が続くと思うと気が重い。








常に監視されている状況。








もと芸能人だから
ああいった
クールな態度でいられるのだろうか。

それとも単にナルシスト、
目立ちたがりの性質なのか。

後者なら構いやしない。
常人の神経なら
ストレスで気が狂ってしまいそうだ。
毎日顔を合わせている会社でさえこの状況。

あんな状況じゃ
プライベートだってないのに等しい。


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