• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第29章 もう恋なんて





荷物はいったん自宅に持ち帰り、
明日の準備をして早めに寝た。

けれど緊張してか、寝つきはサイアクだった。



失礼になってはならないと
クリーニングに出したばかりの
スーツに袖を通し、
よく跳ねてしまう左側の寝癖をなおす。

これで準備は整った。





本店と支店は同じ都内の
交通便のよいところにあるが、
距離としては少し遠くなった。

初日だから少し早めに家を出て
通勤ラッシュの満員電車に揺られる。



支店に来たのは今回が初めてだ。

見慣れない光景に緊張しつつ、
邪魔にならない速度で進み
見つけたフロアマップを頭に入れる。





(7階からオフィスフロア。
配属部署は7階で…東寄り…)





いま一度気を引き締め、
エレベーターに乗り込み
7階フロアのボタンが押されたことを確認する。





同じ部署の人はどんな人達なのだろう。





直属上司にあたる主任は
数年前までドラマや映画で
俳優として活動していた元芸能人。

芸能界活動のことは
にわかにしか知らないけど
親世代の会社を引き継いだわけでもないし、
この一般社会で働こうなんて
よほどの変人だと思う。

人気が低迷しているわけでもなければ
傷害事件を起こしたわけでもなかったはず。



それはさておき
それ以外の人の情報は皆無だ。

男女の比率も分からなければ
同僚の人がいるのかも分からない。










ただ、面倒な人がいなければいい…

それだけを願った。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp