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【R18】Querer【創作BL】

第29章 もう恋なんて





昼は一緒するわけにはいかなくて
元気がないな~と

長瀬は俺に甘い菓子を差し入れてくれた。

当然、俺にだけでなく
近くに居た人たちにも配ってたけど
それでも構ってくれるのが嬉しかった。





(極力接触は控えろっていうのに…)





顔がほころびそうになる。



急に距離をとられたわけじゃないと
安心できたから。


誰がいつ見ているかの状況で
気は抜けなかったけど、
一番態度を変わって欲しくない人が
近くに居てくれたから

…どうしようもなく嬉しく思えた。















──…その日の夜。

長瀬はビルの屋上に俺を呼び出した。





「悪いな。こんなところに呼び出して」


「いや…。
会うところ選ぶわけにもいかないだろう」





長瀬の父親に直接呼ばれて
言われたのだ。

父親にとって
立派な息子に育ってほしくて
女だけでなく男遊びもせず、
真っ当に女の人と結婚して欲しいと望んでいる。

少ない言葉だったからこそ
それがひしひしと伝わってきた。



無関心な俺の両親とはまるで大違い。





「…湊。本当はこれ、
土曜日の日に渡すつもりだったんだけど
いま渡すな」


「…?」


「開けてみて」





長瀬は胸ポケットから
リボンを結んだ箱を手渡してきた。





プレゼントをもらうのは久々で…
何が入っているのだろうと

ドキドキしながらリボンを解いた。


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